ベトナム人実習生と、日本製の服をつくるということ naru-staff 読んでいただきありがとうございます。店長の南出です。 私たちは日本の自社工場でベトナム人実習生たちと共に服作りを行っています。 「日本製」と聞くと、多くの方は「日本人の職人がつくっている」というイメージを抱かれるかもしれません。もちろん日本の職人さんも作っていますが、日本の職人の人数が減っており、それをベトナム人実習生が支えてくれています。一方で、ベトナムをはじめとする海外から来た実習生が日本の工場で働いている現状に、不安や迷惑気持ちを持つ方もいるでしょう。「不法労働や日本人の雇用を奪っている。」「安い労働力に頼っているのでは?」そんな声を私も耳にしたことがあります。 けれど実際に共に働いてみると、そういう懸念はあくまで一側面であり、素晴らしいこともたくさんある事をお伝えできればと思いこのコラムを書きました。彼ら彼女らは私たちにとって代替の人手ではなく、日本のものづくりを学び、支え、未来へつなぐ大切な仲間です。日本人以上に真剣に技術を習得しようと努力し、その姿勢が工場全体の空気を引き締めてくれています。 また実習生受け入れの法律を正しく守ると、登録料や受け入れ手数料などいろんな費用が掛かり、日本人よりも高い値段になる事が一般的なため、一概に安価な労働力とも言えません。 「日本製」であるために最も重要なのは、国籍ではなく「つくり方」だと考えています。素材選びから編み立て、縫製、検品に至るまで、一つひとつの工程を丁寧に積み重ねる。その誇りを共有し、同じゴールを目指す限り、それは確かに「日本製」と胸を張れると考えています。 私たちが掲げる「日本製」は、ただ「日本でつくった」という意味にとどまりません。購入頂いたお客様に「やっぱり日本製を買ってよかった」と思っていただけること。日本の服作りの技術や考え方を、世代を越えて受け継ぎながら、確かな品質を未来に残していくこと。それこそが私たちが作る「日本製」の本当の価値だと考えています。 私たちの工場ではベトナム人実習生と日本人の職人が、同じ工場で、同じ服を仕立てています。その中で生まれる一着には、日本製でありながら国を越えた努力と誇りが込められています。「日本製」を信じて選んでくださるお客様に、胸を張って届けられるものをこれからも仲間と共に、真剣に作り続けていきたいと考えています。 店長:南出