日本のデニムが世界で大人気!

先日、大阪で冬商品のバイヤー様向け展示会を行いました。

その際、NARUの定番「8オンスムラデニム」を作っていただいている会社さんが、広島からご来場くださいました。

せっかくの機会だったので、今の“国産デニム”の生産状況について、色々とお話を伺ってみました。

実は今、日本のデニムは国内だけでなく海外でも非常に人気が高く、生産が追いついていない状況だそうです。
例えば、「セルビッチデニム」と呼ばれる、生地端に赤いラインが入った昔ながらのデニム。

ものによっては、今注文しても生地が出来上がるのが「2年後」というケースもあるほど、工場が混み合っているそうです。

では、なぜここまで日本のデニムは人気なのでしょうか?

理由はいくつもありますが、一番大きいのは、やはり「昔ながらの風合いで丁寧につくられているから」だと思います。

糸の選び方。
織り方。
染め方。
仕上げ。

どれか一つだけではなく、細かな工程を何十年も積み重ねながら、日本独自の技術として磨いてきた背景があります。

特にデニムは、ロープ染色と呼ばれる、糸を何度も染料にくぐらせることで色を付ける染色方法で染め上げます。
これは染めれば染めるほど染料の濃度が薄くなってくるので
定期的に確認し染料を追加するということをしなければなりません。

またシャトル織機という昔ながらの小型の織機を使って時間をかけて空気を含ませながら織り上げます。
それにより少しムラがあったり、
洗うことで表情が変わったり、
着込むほどにその人らしく育っていくデニムを作ることができます。

今回お話を聞いていて印象的だったのは、

「海外の方は、日本人以上に日本のものづくりを評価してくれている」

という言葉でした。

大量につくることより、
時間をかけてでも良いものをつくる。

その価値を、きちんと感じ取ってくださる方が世界中に増えているそうです。

ただその一方で、国内の繊維産業は年々工場が減っているのも現実です。

職人さんの高齢化。
後継者不足。
機械の老朽化。

便利で安いものが増えた時代だからこそ「手間をかけてつくる」という文化を続けることは、簡単なことではありません。

そんなお話を聞いている中で、ふと疑問に思ったことがありました。

「そこまで人気で、織機が足りていないなら、新しく作ればいいのでは?」ということです。

ですが、お話を伺う中で、簡単には増やせない理由がいくつもあることを知りました。

まず大きいのが、昔ながらのデニムを織る「シャトル織機」という機械自体が、もうほとんど作られていないということです。

セルビッチデニムを織る際によく使われる古い織機は、何十年も前の機械を修理しながら使い続けているケースがほとんどです。

つまり、「新しく買う」というより、「今ある機械を、なんとか生かし続けている」という状態なんですね。

なぜ昔の機械を今も使っているのかというと、シャトル織機は織るのが非常に遅く

その遅さが、独特の凹凸感や風合い、空気を含んだような柔らかさを生み出してる一方で

生産性が低く価格費用と実入りが見合わないのです。

つまり、技術的には可能でも採算を考えると旧式シャトルと同じような風合いの出る機械を新たに作ることは出来ないのです。

さらに、仮に新しい設備を導入できたとしても、デニムづくりは機械だけでは成り立ちません。

糸の状態を見ながら調整したり、
気温や湿度によってテンションを変えたりという
かなり「職人の感覚」に支えられている世界です。

だから、機械を置けばすぐ量産できる、というものでもありません。

しかもその機械を扱える職人さんも年々少なくなっています。

こういった背景から新型シャトル織機を増やすことは現実的にはかなり難しいのです。

こういった話をデニム工場さんから聞き是非皆さん人共有したいと思い今回コラムを書きました。

毎日のように着るデニムだからこそ、少しだけ背景を知ると、また違った愛着が湧くような気がします。

これからもNARUとして、ただ「日本製です」と伝えるだけではなく、

どんな人が、
どんな想いで、
どんな工程を経てつくられているのか。

そこまで含めて、きちんと届けていけたらと思っています。

店長:南出