仕上げ工場「リヴァーウエスト」
- 日本の洋服の仕上げについて -  

意外と面白い、アパレル商品が出来上がるまでの過程。たくさんの工程を知ってもらいたい、そんな思いでの工場見学第二弾！
今回は「仕上げ作業」を協力していただているリヴァーウエストさんに工場見学させていただきました。
もちろんNARUの自社工場でも「仕上げ作業」は行っていますが、リヴァーウエストさんはNARUにはない高度な仕上げ用の機械をたくさんお持ちです。
われわれの自社工場では難しい、コートなどの立体的なアイテムの仕上げをしていただいています。


   

「仕上げ」とは？

アイロンを当て、下げ札をつけ、袋に入れる作業、その製品を綺麗に整える作業を総称してアパレル業界では「仕上げ」と呼びます。 今回の注目ポイントは、その中でも「アイロンを当てる」作業です！

家庭用アイロンと業務用アイロンの違い

業務用は家庭用にはないパワーがあるんだろうな〜と、なんとなく想像はつくかと思いますが、家庭用と業務用のアイロンの違いってご存知でしょうか？ 実は「熱源」が違うのです。
家庭用のアイロンは電気の力で鉄板をあたためてシワをのばします。手軽に直ぐに熱くなってくれるのが特徴です。
業務用のアイロンの熱源は蒸気です。
アパレルの仕上げ屋さん、クリーニング屋さんなどではボイラーをつかって水を沸騰させ、蒸気によりシワを伸ばしています。
太いコードはアイロン台の下にあるボイラーとつながっているんですね。
家庭用のアイロンもスチーム機能や霧吹きの水をかけた方がシワが伸びやすいですよね。業務用は、その蒸気だけでシワを綺麗に伸ばすのだから、驚きです。 熱源が電気と蒸気では衣類に対するダメージが全く違います。通常電気のアイロンは温度が上がってテカりやすく、ダウンやコートなどには当てるのは難しいです。 蒸気だと電気と比べると温度が低く、スチーム効果も相乗して、衣類に対して優しくシワをのばしてくれます。

リヴァーウエストさんと仕上げ用機械

では、今回見学させていただいたリヴァーウエストさんと、お持ちの様々な種類の仕上げ用機械をご紹介いたします。

リヴァーウエストさんは大阪府岸和田市の会社です。私たちの工場がある泉大津のお隣の市で車で10分ほどで行くことができます。

業務用高圧スチーマーです。コンパクトで動かしやすいタイプですが、隣のボイラーから高温の水蒸気を一気に放出し、素早くシワを取り除きます。


「吹上式アイロン台」と呼ばれるボイラーのついた業務用アイロン台です。 スイッチを入れると常時水蒸気を噴き出してくれるので、家庭でアイロンをかける時のように、強く押さえつけることなく服を綺麗にすることができます。
アタリと呼ばれるアイロンでテカテカしてしまうのを防いだり、高熱で伸びてしまうのを防ぐことができます。

ちなみにNARUにあるアイロン台は「吸引式」と呼ばれるアイロン台です。
アイロン台の下には吸引機がついており、服をアイロン台に吸い付かせてくれます。
薄く柔らかい生地は普通にアイロンをすると生地が浮いて綺麗にアイロンをすることができないので、カットソー等を多く扱うNARUでは吸引式を使っています。 このように、工業用アイロン台にもたくさんの種類があって、作りたい服の種類に応じて使用する仕上げの機械も変えています。


こちらは「吹上式仕上げ馬」です。椅子の肘かけのような部分が仕上げ馬と呼ばれ、袖口など筒状になった部分にアイロンを当てる際に使用しています。
馬の部分からも水蒸気を噴き上げており、袖口も綺麗にアイロンを当てることができます。


こちらは立体スチーム仕上げ機です。
人型の機械に洋服を被せ、高圧のスチームを噴射します。 実際にスチームを噴射している所です！辺りが見えなくなるくらいの水蒸気を一気に放出します。
これが業務用の蒸気の出方です。
熱源が蒸気なので当然と言えば当然ですが、この蒸気により、シワなどを一瞬に飛ばしてしまうのです。
スチームを出し終わったら自動で温風を噴射し、直ぐに乾かします。


こちらは工業用クローゼット式スチーマーです。
高圧ボイラーから水蒸気を噴射し複数の衣類を一気に仕上げてくれます。


業務用の技ありマシンと、それを扱う職人さんの技術によって行われる「仕上げ作業」のご紹介でした。 今回、お忙しい中、お時間を作ってくださったリヴァーウエスト社長の西川さん。
とても気さくな方で、楽しく工場見学させていただくことができました。お忙しい中、本当にありがとうございました！

われわれＮＡＲＵの商品をお客様の元に届けるまでには、色々な方の協力が必要だと改めて実感しました。
ちなみに、家庭用アイロンアイテムも進化をとげていますよね。
業務用とまではいかなくても、自宅でも手軽で快適に、綺麗なお洋服が着れるアイロンアイテムがどんどん開発されればいいな〜なんて思います。

こんなNARUをこれからも宜しくお願いいたします！